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レセプト業務とは?流れや仕組み、業務の効率をアップさせる方法について

医療事務における作業のなかでも、特に重要な役割を持つ「レセプト業務」。医療機関を経営している方のなかにも「具体的にどのような業務をしているのか把握していない」という方もいらっしゃるかもしれません。また、現在レセプト業務に従事している方の場合は「より効率的にレセプト業務を進めたい」とお考えのことでしょう。
そこでこの記事では、レセプト業務の概要とそれにまつわる診療報酬の仕組みをご説明します。煩雑になりがちなレセプト業務を大幅に効率化させる方法もご紹介しますので、レセプト業務についてよりスピーディに、かつ正確に実施したいとお考えの方はぜひご参考にしてください。

レセプト業務とは?流れや仕組み、業務の効率をアップさせる方法について

レセプト業務とは

まず、レセプト業務と診療報酬の仕組みについて、その概要をご説明します。

 

「レセプト」とはドイツ語で「請求書」という意味ですが、医療の世界においては「保険者に請求する診療報酬の明細書」を指します。つまり、レセプト業務とは「診療報酬明細書を作成・点検し、診療報酬を請求する業務」です。

 

レセプトは被保険者ごとに月単位で作成される書類で、そこには個人情報や診療報酬点数などが記載されています。また、各健康保険の保険者(健康保険組合、健康保険協会、各種共済組合や国民健康保険など)に、毎月提出されることとなっています。

このレセプト業務にあたる担当者を務める方は、基本的に医療事務に関連する資格が求められる場合が一般的です。

 

診療報酬が支払われる仕組み

医療機関が医療行為をして発生する「診療報酬」の請求は、どのような仕組みとなっているのでしょうか。ここでは、診療報酬が支払われる仕組みを簡単にご紹介します。

 

「診療報酬」とは、医療機関で診察や処置などを行った際にかかった費用のことです。これは医療機関の領収書を見ると分かりますが「○点」と点数で数えられており、その点数は診療報酬点数表に基づき算出されます。医療機関を利用した際に発生する「医療費」は、この診療報酬点数から金額換算されたものです。ちなみに診療報酬1点は「10円」と算出されています。

 

医療費の一部(原則3割)は患者に請求され、患者の負担となります。患者負担分を差し引いた残りの金額は、先にもご説明した健康保険組合などの各保険者に請求されます。厳密には医療機関が保険者に直接請求するのではなく、国民健康保険団体連合会などの審査支払機関を介して請求する仕組みとなっています。

 

この診療報酬を請求する際には「診療報酬請求書」と「診療報酬明細書」の提出が必要となっており、審査支払機関を通して保険者から医療機関に診療報酬が支払われるのです。

 

レセプト業務の流れと仕事内容

医療機関の事務作業として行われているレセプト業務は、どのような手順で行われているのでしょうか。ここではその一連の流れと、業務の内容についてご紹介します。

なお、レセプト業務は締日の都合で月末から翌月上旬のタイミングで行われる場合が一般的です。したがって、この時期は医療事務の繁忙時にあたると考えて良いでしょう。

 

1.診療情報をレセコンに入力する

レセコン(レセプトコンピュータ/医療機関における請求書を作成するための医療コンピュータ)に、各患者さんの診療情報を入力していきます。これは日々の会計時に、その都度行われる作業です。

一般的なレセコンの多くでは、行った診療や処置などに応じてコードや品番が指定されています。その品番を正しく入力すると、それに応じた診療報酬点数が自動的に計算される仕組みとなっています。

 

2.レセプトを作成する

ここから先の作業が、「レセプト業務」のなかでも主要なものとなります。

月末を迎えたタイミングで、レセコンに都度入力された診療報酬を点検・確認します。その上で、1カ月分のレセプトを作成するのです。この作業の際にも、自動的にレセコンで診療報酬が集計されるため、レセプトを作成する作業そのものは大変ではありません。ただし誤入力などのミスやエラーがあると、レセプトが正しく作成できないため注意する必要があります。

 

3.レセプトの点検

レセプトが作成できたら、次は作ったレセプトに誤りがないか点検する作業を行います。これを「レセプトチェック」と呼びます。

 

前述の通り、レセコンに入力した診療情報のすべてが正しいとは限りません。仮に誤入力などがあれば、記載されている情報が正しくないことも考えられるわけです。

そのようなミスがある状態での提出を避けるため、入力内容や行った診療内容の整合性などを確認する作業が必要となります。それがレセプトチェックです。

このレセプトチェックが、各種あるレセプト業務のなかでも非常に重要な作業となります。

 

ちなみに、レセプト点検用のソフトも数多く出回っており、それらは記入やコメントの漏れ、請求の間違いなどを発見してくれます。しかしソフトがすべての誤りを検出してくれるとは限りませんので、目視でダブルチェックすることも必須です。これがレセプトチェックの作業が重要といわれる理由であり、作業に要する時間も長いものとなります。

 

4.医師による確認

レセプトチェックの作業において、もし記載の疾患名と行った診療内容などに齟齬があると判断された場合、医師に確認をしてもらう必要があります。確認作業の上で要修正であると判断されると、それらの修正作業が発生します。

修正作業後、再度医師に確認をしてもらい、レセプトの内容に誤りがないとの判断がされれば、その月のレセプトが完成します。

 

5.審査支払機関に提出

レセプトが完成したら、各保険者の審査支払機関にそれを提出します。審査支払機関でその内容が確認され、適切であるとの判断後に診療報酬の支払いが行われます。ただし、もしレセプトの内容に誤記や不備があると「査定(診療報酬点数の原点)」や「返戻(レセプトの差し戻し)」と判断されてしまう場合もあります。このような事態を招くことは、支払額の減額や修正再提出の手間の発生につながってしまうため、十分な注意が必要です。

 

レセプト業務はシステム連携で効率アップ

レセプト業務の業務負担を低減し、レセプト業務を効率化してくれるのがレセコンです。しかし、さらなる業務効率向上のためにはレセコンと電子カルテを連携させることが必要でしょう。

ここでは、電子カルテとレセコンを連携するメリットをご紹介します。

 

レセプト作成にかける時間を削減

レセプトを手作業で作成する場合、カルテに記載されている多くの情報をマンパワーで入力しなければなりません。手入力の作業負担やミス発生リスクは非常に大きく、従事者にとってストレスのかかる作業でもあります。

電子カルテとレセプトを連携させれば、カルテの情報がレセプトに自動反映されるため、レセプト作成にかける手間を大幅に省けます。

 

受付・診療・会計までのデータを一元管理できる

レセコンと電子カルテの違いは、管理する情報の範囲です。電子カルテでおもに管理されるのは診療の記録で、レセコンで管理されるのは診療報酬に関する情報。もし、この2つを連携できれば、受付から診療・会計までの情報を一元管理することが可能になります。

紙に書き写す作業や複数のシステムを立ち上げての作業が不要になり、業務効率を大きく改善することができるでしょう。

 

入力ミスの防止

アナログ作業で起こりがちな人為ミス(誤記や入力間違いなど)も、レセプトを電子化して作業自体の分量を減らすことで発生リスクを大きく低減できます。

 

レセプト業務の効率化を実現できる電子カルテシステム「MAPs for CLINIC」

もし電子カルテの導入をご検討中であれば、レセコンと一体になったものの導入を強くおすすめします。EMシステムズがご提供する「MAPs for CLINIC」は、レセコン一体型のクラウド型電子カルテシステムです。

 

クラウド型電子カルテシステム「MAPs for CLINIC」とは?

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要件を満たすスペックのPCなどの設備があれば、新規で機器を購入せずとも運用開始可能です。レセコンと電子カルテを連携させての利用をお考えの場合も、「MAPs for CLINIC」ならその2つが一体に。それぞれのシステムを導入しなくても、これ1つで医療事務作業の効率化をかなえられます。

「MAPs for CLINIC」は、資料のダウンロードや無料体験が可能です。ご興味をお持ちの方は、ぜひEMシステムズまでお問い合わせください。

 

まとめ

この記事では、レセプト業務の概要やおもな手順をご説明しつつ、レセコンと電子カルテを連携させることのメリットなどもご紹介しました。これからレセプトやカルテの電子化をお考えであれば、レセコン機能を備えた一体型の電子カルテシステムの導入がおすすめでしょう。

EMシステムズの「MAPs for CLINIC」は、レセプト業務とカルテ管理をこれ1つで行える、事務作業効率化の強い味方。医療現場のデジタル化でお悩みなら、

 

この記事を書いたライター

株式会社EMシステムズ

氏名 株式会社EMシステムズ

1980年創業の医療(クリニック・保険薬局)、介護/福祉業界向けのシステム開発・販売・保守を行う企業です。現在は北海道から沖縄まで、多くの全国の医療・介護施設様に当社の各種システムをご利用いただいております。

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