経営
厚生労働省
原則義務化されたオンライン資格確認とは?導入のメリット・手順を解説
2024.10.30
2021年10月に運用が始まった、オンライン資格確認。それに次いで、2023年1月からは電子処方箋が運用開始されています。そして2023年4月には、オンライン資格確認が原則義務化となりました。
義務化されたとのこともあって、すでに運用を始めている医療機関も多いでしょう。そこで今回は、オンライン資格確認の概要をご説明しつつ、導入するメリットや運用開始までの手順をご紹介します。

目次
オンライン資格確認とは
医療機関における資格確認とは、各患者さんの保険資格を確認する作業のことを指します。つまりオンライン資格確認とは、その確認作業をパソコンなどを使ってオンラインで行うことです。
オンライン資格確認が導入された背景
従来、医療機関において資格確認の作業はすべて手入力で行っていました。しかし手入力作業には時間がかかるため、患者さんを長く待たせてしまうことにもつながっていました。
また、作業量が膨大になり医療事務担当者の業務負担も大きくなってしまいます。このため、業務負担の削減をおもな目的として、オンライン資格確認の仕組みが確立したというわけです。
オンライン資格確認は原則義務化されている
先にも述べましたが、2023年4月から原則として、オンライン資格確認の導入が義務化されています。
オンライン資格確認の義務対象外となる施設はある?
義務化されたとはいえ、今も対象外となっている医療機関もあります。それは、今でも紙レセプトでの請求が認められている医療機関・薬局です。
オンライン資格確認を厳守しないとどうなる?
原則義務化されたオンライン資格確認を遵守しないと、その後どうなるのでしょうか。遵守されていない場合には、地方厚生(支)局による懇切丁寧な指導などが行われるとされています。ただし具体的には、個別事案ごとに適宜判断することとなっているそうです。
詳細は、以下の医療機関等向けポータルサイト「オンライン資格確認の原則義務化、経過措置等に関するよくあるご質問」の項目をご覧くださいませ。
https://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/post-21.html
オンライン資格確認の仕組み

オンライン資格確認の仕組みは、用いられる保険証が一般の健康保険証か、マイナンバーカードかによって異なります。
【従来の健康保険証の場合】
従来の健康保険証であれば、窓口で提出してもらい記号番号などから情報を取得することになります。
【マイナンバーカードの場合】
マイナンバーカードの場合は、まずカードリーダーで電子証明書を読み込みます。次に、暗証番号や顔認証などで本人確認を行い、患者の資格情報を得ることになります。
オンライン資格確認のメリット・デメリット
オンライン資格確認を取り入れることで、医療機関にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。ここでは、オンライン資格確認におけるメリットとデメリットについてご紹介します。
オンライン資格確認のメリット
まず、患者さんを受け付ける側のメリットとして、手入力やその確認作業の手間が減ることが挙げられます。単純に作業量が減るため、大幅な業務効率化につながるでしょう。
また、資格確認をリアルタイムで行えることで誤記などが減り、レセプト返戻作業が少なくなります。
また、資格確認と同時に薬剤情報や特定検診などの情報閲覧も可能となり、充実した診療や服薬指導が可能となるでしょう。
また、災害時でもオンライン資格確認を利用できれば速やかに適切な医療を受けられるというメリットもあります。
オンライン資格確認のデメリット
一方デメリットもいくつかあるため、導入時は必ず意識しておく必要があります。
まず、オンライン資格確認は導入までに少なからず手間がかかってしまう点が挙げられるでしょう。また新たなシステムや機器を入れる作業がともないますから、一定の費用がかかってきます。
このほか、オンラインで行う作業に付き物ともいえるセキュリティリスクに対する備えも必要となってくるでしょう。
これらのデメリットを克服するには、システム導入の際に信頼できる業者を選定することや、トラブル発生時の対処法を共有しておくなど一定の対処を行うことが大切です。メリットを生かし、デメリットを克服することを意識して導入を図ると良いでしょう。
オンライン資格確認の導入に必要なもの・導入手順
オンライン資格確認を新たに導入する際は、どのような準備が必要なのでしょうか。ここでは、オンライン資格確認を新規導入する際に必要になるものや導入の手順をご紹介します。
オンライン資格確認に必要なもの

・顔認証付きカードリーダー
マイナンバーカードには顔写真が付いているため、それを読み取るカードリーダーには顔認証機能が付いている必要があります。
・資格確認端末(パソコン)
資格確認作業はパソコン上で行うこととなりますので、専用の端末(パソコン)も同時に必要となってきます。
・電子カルテシステム
調剤・処方の情報などは、カルテで管理することとなります。このため、電子処方箋とカルテは情報連携ができている必要があります。電子カルテシステムも、オンライン資格確認を行うためには欠かせません。
・レセプトコンピュータ
既存のレセプトコンピュータ(レセコン)も、オンライン資格確認の導入にともなってシステムメンテナンスを行った上で使用することとなります。
オンライン資格確認の導入手順
1.ポータルサイトへアカウント登録
まず、オンライン資格確認のポータルサイトからアカウント登録を行ってください。
https://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/
2.顔認証付きカードリーダー申し込み
マイナンバーカードの利用を想定し、顔認証付きカードリーダーの申し込みを行いましょう。
3.利用申請と電子証明書発行申請
オンライン資格確認の利用申請を行い、電子証明書の発行申請を行います。
4.補助金の申請
運用開始後に必要書類を受領し、準備ができたら補助金の申請を行ってください。
オンライン資格確認システムを導入するならEMシステムズへ
オンライン資格確認は、2023年4月に原則義務化されています。未だ導入していないという場合は、速やかに導入を検討しましょう。
EMシステムズでは、オンライン資格確認の導入をワンストップで行える「オンライン資格確認パック」をご用意しています。
EMシステムズのオンライン資格確認パックは、運用に必要となる以下の4点をパッケージ化。手順に悩むことなく、スムーズに導入手続きを行えます。
・連動プログラム
・専用端末
・その他必要な機材
・ネットワーク、連動設定
オンライン資格確認パックの導入メリット
EMシステムズのオンライン資格確認パックは、専用端末も「デスクトップタイプ」「ノートパソコンタイプ」の2種から選定が可能。検討しやすい・導入しやすい・追加料金が不要・補助金内で調達可能という4つのメリットを備えています。なお、オンライン資格確認専用端末とは別途、レセプトコンピュータが必要になりますので注意しましょう。
オンライン資格確認導入のご相談や、ご不明点などはぜひEMシステムズまでお気軽にお問い合わせください。
まとめ
この記事では、2023年4月から原則義務化が開始されたオンライン資格確認について、導入の手順やメリットなどをご紹介しました。
未導入の医療機関では、急いで導入したいというニーズもあると思います。そんなときには、必要な機器やプログラム、設定などがパッケージになったEMシステムズの「オンライン資格確認パック」がおすすめです。ご不明点がある場合やお急ぎの場合は、ぜひEMシステムズまでご相談ください。
この記事を書いたライター

氏名 株式会社EMシステムズ
1980年創業の医療(クリニック・保険薬局)、介護/福祉業界向けのシステム開発・販売・保守を行う企業です。現在は北海道から沖縄まで、多くの全国の医療・介護施設様に当社の各種システムをご利用いただいております。
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