経営

開業準備

成功するクリニック開業のポイントと開業までの流れ

クリニックの開業は、医師にとって夢やキャリアの重要なステップですが、その道のりには多くの準備と計画が必要です。本記事では、開業準備に必要な具体的なステップや注意点を分かりやすく解説し、成功に導くためのガイドを提供します。

成功するクリニック開業のポイントと開業までの流れ

開業までの流れ:クリニック開業の目的と方向性の設定

開業までの準備項目

開業の目的と目標・コンセプトを設定する

クリニックの特徴を明確にするために、診療科目、提供するサービス、ターゲット患者層を考慮して開業の目的とクリニックのコンセプトを設定します。地域医療への貢献や他院との差別化を図る方向性を具体的にすることで、クリニックの運営方針を明確にしましょう。

例えば、地域住民の高齢化が進むエリアにおいては、特に高齢者に需要が多い内科や整形外科などの診療科目で開院することで地域の需要を満たすことができるでしょう。。また、診療スタイルとして予約制を導入するのか、急患対応を優先するのかなど、具体的な運営方針を定めることも必要です。

開業地の選定・競合分析

患者層のニーズやアクセスのしやすさを考慮して立地を選定します。診療圏調査を活用して人口動態や医療需要を把握し、周辺競合クリニックの診療内容やサービスの分析を行います。これにより、自院の強みを活かした戦略を練ることができます。

診療圏調査では、半径1〜3km以内の人口密度、世帯収入、主要な交通機関の位置、他の医療機関の種類とその評判などを調査しデータを収集します。これらのデータを基に、潜在的な患者層が多いエリアを特定します。

事業計画書の作成

事業計画書では、以下の要素を具体的に明記します:

  • 開業費用の見積もり(物件取得費、内装費、医療機器費用など)
  • 収益予測(患者数、診療報酬、自由診療の売上)
  • 運営計画(診療時間、休診日、スタッフ配置)

計画書は資金調達の際にも重要な資料となります。収益予測では、1日あたりの来院患者数と1患者あたりの平均診療費用を算出し、月次および年次の売上を予測します。また、リスクシナリオを想定した複数の計画案を用意することも有効です。

 

資金調達と計画的な予算管理

必要な資金を確保するため、以下の方法を検討します:

  • ・自己資金:自己資金が多いほど融資を受けやすくなります。
  • ・金融機関からの融資:診療報酬債権を担保とした融資が可能です。
  • ・補助金・助成金:地域や国が提供する医療機関向けの補助金制度を活用します。

金融機関との交渉では、事業計画書に基づいて具体的な返済計画を提示することが求められます。融資金利や返済期間についても慎重に検討し、無理のない資金計画を立てましょう。


開業に必要な各種法的手続き

開業に必要な手続きには以下があります:

  • ・保健所への診療所開設届出
  • ・厚生局への保険医療機関指定申請
  • ・税務署への開業届出
  • ・社会保険や労働保険の手続き

これらは期限や必要書類が決まっているため、計画的に進めましょう。特に、保険医療機関としての指定を受けるには時間がかかる場合があるため、早めの準備が求められます。

 

患者目線でのクリニックの内外装設計

患者が快適に過ごせる環境を作るため、内外装の設計を業者に依頼します。待合室や診察室の配置、バリアフリー設計、照明や空調の工夫などが重要です。患者や診療の導線を考えて設計を進めることで患者の満足度も上がり、医師も仕事のしやすい環境を作ることができます。

具体例として、待合室にはリラックスできるソファや観葉植物を配置し、受付には患者への案内を行うデジタルサイネージを導入することで患者への案内をスムーズにするなどの工夫が挙げられます。

診療効率を高める医療機器・医療システムの導入

診療科目に応じた医療機器の導入や、業務効率を向上させる電子カルテなどの医療システムの導入を検討します。最新の技術を活用することで、患者満足度やスタッフの働きやすさを向上させます。

例えば、現在では導入が当たり前になっている電子カルテは導入することで診療記録の共有や管理が効率化され、診療時間の短縮にも繋がります。また、予約システムやオンライン診療プラットフォームを導入することで、待たない診療、場所を問わない診療を提供することができ、患者の利便性をさらに向上させることができるでしょう。。

 

人材採用と教育

スタッフを採用し、業務に必要なスキルを持った人材を確保します。スタッフは教育を通じて、患者対応力や業務効率や患者からの信頼感を高めることも重要です。

求人時には、具体的な業務内容や必要スキルを明確に提示することで、適切な人材を確保しやすくなります。採用後は定期的な研修を実施し、スタッフ間のコミュニケーションを円滑にする取り組みを行いましょう。

 

集患を強化するためのマーケティング戦略

ホームページやLINEなどのSNS、広告を活用して開業前から集客を始めます。オンライン広告や地域のコミュニティに根ざした活動を組み合わせることで、幅広い患者層にアプローチできます。

たとえば、地域の健康イベントやセミナーを開催することで、地域住民とのつながりを深めることができます。また、ホームページではでクリニックの日常や医療知識を発信することで、親しみや信頼の構築につながります。

 

開業成功のポイント①成功するための立地選びと競合分析

立地の重要性

1.交通の利便性の確認

駐車場の有無、最寄りの駅やバス停からの距離を確認します。都市部では公共交通機関のアクセスが重要ですが、地方では車でのアクセスを重視する必要があります。

2.競合の調査

競合クリニックの診療内容や評判、患者数、料金設定を調査します。他院との差別化ポイント(診療時間、専門分野、サービスの質)を明確にし、強みを活かした運営戦略を構築します。

競合分析の際には、患者の口コミやレビューサイトを活用することで、競合の評価や弱点を把握し、自院の差別化ポイントを見つけることができます。

 

開業の成功ポイント②診療科別の開業資金とランニングコスト

開業資金の目安と内訳

診療科別に開業や運営に必要な費用をざっくりではありますがリストに合いました。

開業にかかる初期費用と合わせてランニングコストの内訳を詳細に把握することで、収益目標を明確に設定し、健全な財務管理を実現します。これにより、開業後の経営リスクを軽減することができます。

※あくまで目安としてご覧ください。詳細については開業の際に各業者の見積で確認が必要になります。


1.
内科の開業資金の目安

◆初期費用

  • 物件取得費
    • 目安:500万~1,500万円(賃貸の場合の保証金含む)
    • 注意:駅近や住宅街のアクセスの良い物件が理想的。都市部では家賃が高くなりがち。
  • 設備費
    • 目安:500万~2,000万円
    • 内容:聴診器、血液検査機器、心電図など。高性能検査機器の導入で費用が増加。
  • 内装費
    • 目安:800万~1,500万円
    • 注意:落ち着いた待合室やバリアフリー対応の設計が必要。
  • 広告宣伝費
    • 目安:50万~200万円
    • 注意:地域住民向けのチラシやオンライン広告が効果的。

◆その他開業に必要な経費

  • 運転資金
    • 目安:500万~1,000万円(開業後6ヶ月分程度)
    • 注意:初期患者が少ないことを想定した十分な資金準備が必要。
  • 保険加入費用
    • 目安:50万~100万円
    • 注意:医療過誤保険や火災保険などへの加入が必須。

◆月のランニングコスト

  • 家賃
    • 目安:30万~100万円(都市部は高額)
    • 注意:患者層に合わせた立地選びが重要。
  • 人件費
    • 目安:80万~200万円(看護師や受付スタッフを含む)
    • 注意:規模に応じてスタッフの人数を調整。
  • 光熱費
    • 目安:5万~20万円
    • 注意:検査機器や空調の使用状況に依存。
  • その他運営費
    • 目安:10万~30万円(消耗品、清掃、通信費など)

2. 小児科の開業資金の目安

◆初期費用

  • 物件取得費
    • 目安:500万~1,500万円
    • 注意:家族が通いやすい立地や駐車場の確保が重要。
  • 設備費
    • 目安:500万~1,500万円
    • 内容:診察用器具、乳幼児向けの医療機器やワクチン保管設備が必要。
  • 内装費
    • 目安:1,000万~2,000万円
    • 注意:子どもが安心できるカラフルなデザインやキッズスペースを設置。
  • 広告宣伝費
    • 目安:50万~150万円
    • 注意:幼稚園や学校への周知活動が効果的。

◆その他開業に必要な経費

  • 運転資金
    • 目安:500万~1,000万円
    • 注意:予防接種のシーズン変動を見越して資金を準備。
  • 保険加入費用
    • 目安:50万~100万円
    • 注意:医療過誤保険や施設損害保険への加入が必須。

◆月のランニングコスト

  • 家賃
    • 目安:30万~80万円
    • 注意:駐車場付き物件はコストが高め。
  • 人件費
    • 目安:100万~250万円
    • 注意:看護師、受付スタッフに加え、小児対応経験者を確保する。
  • 光熱費
    • 目安:5万~20万円
    • 注意:冷暖房設備やワクチン保管用冷蔵庫の電力消費がポイント。
  • その他運営費
    • 目安:10万~30万円
    • 注意:おもちゃや絵本の更新費用も考慮する。

3. 整形外科の開業資金の目安

◆初期費用

  • 物件取得費
    • 目安:500万~2,000万円
    • 注意:広いリハビリスペースが確保できる物件が望ましい。
  • 設備費
    • 目安:1,000万~3,000万円
    • 内容:レントゲン装置、リハビリ機器などが必要。
  • 内装費
    • 目安:1,000万~2,000万円
    • 注意:リハビリ室の広さや動線設計に重点を置く。
  • 広告宣伝費
    • 目安:50万~200万円
    • 注意:地域住民や高齢者向けに特化した広告が有効。

 

◆その他開業に必要な経費

  • 運転資金
    • 目安:700万~1,500万円
    • 注意:リハビリに通う患者の増加までの運転資金を確保する。
  • 保険加入費用
    • 目安:50万~100万円
    • 注意:リハビリ中の事故を想定した保険も検討。

◆月のランニングコスト

  • 家賃
    • 目安:50万~150万円
    • 注意:広いスペースが必要なためコストが高くなる可能性あり。
  • 人件費
    • 目安:150万~300万円
    • 注意:リハビリスタッフや専門知識を持つ看護師を確保。
  • 光熱費
    • 目安:10万~30万円
    • 注意:リハビリ機器の電力消費を計算に入れる。
  • その他運営費
    • 目安:20万~50万円
    • 注意:リハビリ用品の維持費が追加で発生する。

4.皮膚科の開業資金の目安

◆初期費用

  • 物件取得費
    • 目安:500万~1,500万円
    • 注意:住宅街や商業施設近くなど、通いやすい立地を選ぶことが重要。
  • 設備費
    • 目安:500万~1,500万円
    • 内容:診察用の顕微鏡や光治療装置、冷却装置など。美容目的の機器を導入する場合はさらに増加。
  • 内装費
    • 目安:800万~1,500万円
    • 注意:プライバシー配慮が求められる待合室や診察室の設計。
  • 広告宣伝費
    • 目安:50万~200万円
    • 注意:一般皮膚科と美容皮膚科を分けたターゲット広告が効果的。

 

◆その他開業に必要な経費

  • 運転資金
    • 目安:500万~1,000万円
    • 注意:美容診療を行う場合は特に集客に時間がかかる場合がある。
  • 保険加入費用
    • 目安:50万~100万円
    • 注意:美容施術を含む場合は特化した保険の検討が必要。

 

◆月のランニングコスト

  • 家賃
    • 目安:30万~100万円
    • 注意:集客力のある立地を優先し、収支バランスを考慮する。
  • 人件費
    • 目安:80万~200万円
    • 注意:受付スタッフに加え、美容施術対応の人員が必要な場合も。
  • 光熱費
    • 目安:5万~20万円
    • 注意:光治療機器などの電力消費を計上する。
  • その他運営費
    • 目安:10万~30万円
    • 注意:美容用消耗品のコストが追加で発生する可能性あり。

5.眼科の開業資金の目安

◆初期費用

  • 物件取得費
    • 目安:500万~2,000万円
    • 注意:駅近や大規模施設内の物件が好まれる。
  • 設備費
    • 目安:1,000万~3,000万円
    • 内容:視力検査機器、眼底検査機器、OCT(光干渉断層計)など。
  • 内装費
    • 目安:1,000万~1,500万円
    • 注意:暗室や検査専用スペースの設計が必要。
  • 広告宣伝費
    • 目安:50万~150万円
    • 注意:高齢者向けやコンタクトレンズ利用者へのアプローチが効果的。

 

◆その他開業に必要な経費

  • 運転資金
    • 目安:700万~1,500万円
    • 注意:機器メンテナンスや消耗品の補充を見越した準備が必要。
  • 保険加入費用
    • 目安:50万~100万円
    • 注意:眼科特有のトラブル(術後合併症など)を想定した保険も検討。

 

◆月のランニングコスト

  • 家賃
    • 目安:50万~150万円
    • 注意:アクセスの良さが重要なため高額になることも。
  • 人件費
    • 目安:100万~300万円
    • 注意:検査担当スタッフの確保が重要。
  • 光熱費
    • 目安:10万~30万円
    • 注意:検査機器の電力消費が高め。
  • その他運営費
    • 目安:20万~50万円
    • 注意:消耗品(コンタクト試着用レンズなど)の費用を含む。

6.耳鼻咽喉科の開業資金の目安

◆初期費用

  • 物件取得費
    • 目安:500万~1,500万円
    • 注意:住宅街や駅前などの子どもや高齢者が通いやすい立地が重要。
  • 設備費
    • 目安:800万~2,000万円
    • 内容:内視鏡、聴力検査機器、吸引機器など。
  • 内装費
    • 目安:1,000万~1,500万円
    • 注意:待合室にキッズスペースを設置すると集客力が上がる。
  • 広告宣伝費
    • 目安:50万~150万円
    • 注意:学校や地域医療機関への周知活動が効果的。

 

◆その他開業に必要な経費

  • 運転資金
    • 目安:500万~1,000万円
    • 注意:季節的な波(花粉症や感冒シーズン)に備えた準備が必要。
  • 保険加入費用
    • 目安:50万~100万円
    • 注意:内視鏡操作中のトラブルを想定した保険が望ましい。

 

◆月のランニングコスト

  • 家賃
    • 目安:30万~100万円
    • 注意:通いやすいエリアを優先して選択。
  • 人件費
    • 目安:80万~200万円
    • 注意:専門知識を持つスタッフの確保が重要。
  • 光熱費
    • 目安:5万~20万円
    • 注意:吸引機器や空調設備の消費電力が要因。
  • その他運営費
    • 目安:10万~30万円
    • 注意:消耗品(マスクや手袋など)の補充を計画に入れる。

7.婦人科の開業資金の目安

◆初期費用

  • 物件取得費
    • 目安:500万~1,500万円
    • 注意:女性が入りやすい雰囲気の立地を選ぶことが重要。
  • 設備費
    • 目安:1,000万~2,500万円
    • 内容:超音波検査機器、内診台、検査用機器など。
  • 内装費
    • 目安:1,000万~2,000万円
    • 注意:プライバシーを重視した設計や個室待合スペースが必要。
  • 広告宣伝費
    • 目安:50万~150万円
    • 注意:女性向けメディアでの広告が効果的。

 

◆その他開業に必要な経費

  • 運転資金
    • 目安:700万~1,500万円
    • 注意:患者が定着するまでの十分な資金を準備。
  • 保険加入費用
    • 目安:50万~100万円
    • 注意:婦人科特有のトラブルを想定した保険が必要。

 

◆月のランニングコスト

  • 家賃
    • 目安:30万~100万円
    • 注意:静かな住宅街や商業施設近くが好まれる。
  • 人件費
    • 目安:100万~250万円
    • 注意:女性スタッフ中心の配置が患者の安心感を向上させる。
  • 光熱費
    • 目安:5万~20万円
    • 注意:超音波機器の電力消費がやや多め。
  • その他運営費
    • 目安:10万~30万円
    • 注意:消耗品や検査試薬のコストが発生。

8.精神科の開業資金の目安

◆初期費用

  • 物件取得費
    • 目安:500万~1,200万円
    • 注意:静かなエリアや駅近で通院しやすい立地が好まれる。
  • 設備費
    • 目安:300万~800万円
    • 内容:診察室の設備や電子カルテが中心。検査機器は必要最小限。
  • 内装費
    • 目安:500万~1,200万円
    • 注意:落ち着いた雰囲気の内装が重要。
  • 広告宣伝費
    • 目安:30万~100万円
    • 注意:オンライン広告や口コミが集客につながる。

 

◆その他開業に必要な経費

  • 運転資金
    • 目安:500万~1,000万円
    • 注意:患者の信頼を得るまでに時間がかかる場合がある。
  •  保険加入費用
    • 目安:50万~100万円
    • 注意:精神科特有のトラブルを想定した保険を検討。

 

◆月のランニングコスト

  • 家賃
    • 目安:30万~80万円
    • 注意:静かな環境を選択する。
  • 人件費
    • 目安:70万~150万円
    • 注意:少人数でスタートすることが多い。
  • 光熱費
    • 目安:3万~10万円
    • 注意:電力消費は他診療科と比較して低め。
  • その他運営費
    • 目安:10万~30万円
    • 注意:消耗品やカウンセリング用の資料費を計画に含める。

 

資金調達の方法

資金調達の方法としては以下のような方法があります。

  • 自己資金の活用:自己資金を確保することで融資額を減らします。
    →自己資金率が高いほど金融機関からの信頼度が向上。
  • 金融機関の融資:診療報酬債権を活用した融資が可能です。
    →医療専門の融資プランを提供している銀行を活用。
  • 補助金・助成金:地域や国が提供する制度を利用します。
    →医療機関向けの補助金を事前に調査し、申請手続きを確実に行う。


開業の成功ポイント③法的要件を満たす手続きを行う

診療所開設に必要な手続き

  • 保健所への診療所開設届出

診療所を開設する際は、保健所への届出が必須です。施設の構造や設備が医療法に基づく基準を満たしている必要があります。

 

  • 厚生局への保険医療機関指定申請

保険医療機関として診療報酬を請求するためには、厚生局への指定申請が必要です。この手続きには、施設基準や診療体制の詳細な資料を提出する必要があります。

 

必要な書類

  • 医師免許証明書

開設者の医師免許のコピーや証明書が必要です。これは診療所の信頼性を示すための重要な書類です。

  • 建築確認申請書

施設の構造が法的基準を満たしていることを示す書類です。特に診療所専用に設計された建物の場合は重要です。

 

その他の法的手続き

  • 税務署への開業届提出

事業開始後1ヶ月以内に提出が求められます。これにより、適切な税務管理を行う準備が整います。

  • 社会保険や労働保険の手続き

スタッフを雇用する場合、社会保険や労働保険への加入が義務付けられています。労働基準監督署や年金事務所での手続きが必要です。

これらの手続きがスムーズに進むよう、専門の医療経営コンサルタントや行政書士に相談することをお勧めします。

 

開業の成功ポイント④患者の満足度を上げるクリニック設計と設備選び

患者満足度を高めるクリニック設計

  • 待合室の設計

患者がリラックスして過ごせるような待合室を設けることが重要です。清潔感のある内装、自然光を取り入れた明るい空間、十分な座席スペースを確保することで、患者の満足度を向上させます。

  • 診察室と治療室の配置

患者のプライバシーを守りながら、診察がスムーズに行えるレイアウトを設計します。また、スタッフの動線を短くすることで業務効率を向上させる工夫も必要です。

  • バリアフリー対応

高齢者や車椅子利用者が来院しやすいように、スロープやエレベーターの設置、広い廊下の確保など、バリアフリー設計を採用しましょう。

医療設備の選定

  • 基本設備

診療科目に応じて必要な医療機器を導入します。例えば、内科では心電図計や超音波装置、整形外科ではレントゲンやリハビリ機器が一般的です。

  • ITシステムの導入

電子カルテや予約・問診システムなどのITツールを導入することで、業務の効率化を図ります。これにより、患者の待ち時間を短縮し、スタッフの負担も軽減できます。

► 弊社EMシステムズではクラウド電子カルテの導入のご相談承れます。 お問い合わせはこちら

 

開業後の運営改善とマーケティング

集患とマーケティング

  • オンライン集客の活用

ホームページや、 Googleマップ、口コミサイト、を活用して患者との接点を増やします。SEO対策を行い、クリニック名や地域名で検索した際に上位表示されるように工夫しましょう。

  • 地域密着型の施策

健康相談会や地域イベントへの参加を通じて地域住民との関係を築きます。診療科目に関連した無料講座を開催することも効果的です。

 

経営のポイント

  • スタッフ教育とチーム運営:

スタッフの専門知識や技術向上のために、定期的な研修や勉強会を開催する。特に医療現場では、新しい技術や知識の習得が不可欠です。

  • 定期的な収益分析と改善策の実行:

    月次・四半期ごとの収益レポートを作成し、収益構造を可視化する。診療科目別、時間帯別の収益分析を行い、効率的な運営を目指しましょう。また、低収益のサービスや非効率な業務を見直し、改善策を実施する。必要に応じて新しい診療メニューの導入やスタッフの再配置を検討しましょう。

よくある失敗例とリスク回避策

  • 資金不足による経営難を防ぐための資金管理:
    開業前に詳細な資金計画を立て、運転資金として最低6か月分の経費を確保しましょう。また、不要な支出を抑え、適切な借入を計画しましょう。リスク回避のために、金融機関や税理士と連携し、キャッシュフローを常に把握する。万が一に備え、緊急時の資金調達手段(融資枠など)を用意しておきましょう。

 

  • 患者満足度を向上させるための継続的なサービス改善:

予約システム導入などによる診察の効率化や待ち時間の短縮など、患者目線での運営を心掛けましょう。また、患者が「安心」や「信頼」を感じられるよう、医師やスタッフが丁寧に説明を行いましょう。

 

まとめ

クリニック開業は、準備段階から綿密な計画を立て、一つ一つのステップを着実に進めることが重要です。効率的な運営を実現するために、電子カルテをはじめとするデジタルツールを活用しましょう。

EMシステムズでは電子カルテシステム・予約システムをはじめとして開業に必要なクリニック向けデジタルツールを開発・提供しています。詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

この記事を書いたライター

株式会社EMシステムズ

氏名 株式会社EMシステムズ

1980年創業の医療(クリニック・保険薬局)、介護/福祉業界向けのシステム開発・販売・保守を行う企業です。現在は北海道から沖縄まで、多くの全国の医療・介護施設様に当社の各種システムをご利用いただいております。

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