電子カルテ

【2025年最新情報】クリニック向け電子カルテメーカー総比較29選

現在、日本政府は2030年にすべての医療機関への電子カルテ導入する政策を推進しています。補助金制度の充実や、医療現場でのIT導入にも後押し、そして患者情報の効率的な管理や医療の質向上を目的とした法規制の強化等、また令和6年度診療報酬改定における医療DX推進体制整備加算も後押しとなり、電子カルテの普及率は増加傾向にあります。
電子カルテを導入することで、診療記録や会計処理の作業効率が向上し、医師やスタッフの負担を軽減することもあり、クリニックでの電子カルテの利用の検討は必須と言えるでしょう。
本記事では電子カルテの導入を検討時に、各メーカーの電子カルテをまとめて閲覧できるカタログとしてご利用いただけます。ぜひ情報収集に活用していただき、気になるかルテがあれば各メーカーに問い合わせをしてみましょう。

【2025年最新情報】クリニック向け電子カルテメーカー総比較29選

電子カルテ導入までの6ステップ

電子カルテの選定に入るまえに導入までのステップを押さえておきましょう。適切な手順を踏まずに選定を進めた場合に想像していたような業務の運用が実現しない可能性があります。

 

ステップ1. 目的と要件の明確化

まず、電子カルテの導入によって達成したい目的を明確にしましょう。例えば、診療の効率化、オンライン診療対応等です。既に電子カルテを利用しており、入れ替えを検討している場合、現在の電子カルテの課題をまとめておきましょう。目的を明確化することで必要な機能が見えてきます。(ぼんやりで大丈夫です。STEP2以降で、ベンダーの営業の説明やデモ、無料体験で機能や使い勝手を確認します。)合わせて予算についても考えをまとめておきましょう。

 

ステップ2. 製品選定とベンダー比較

ステップ1でまとめた要件を基に、最適な製品を選びます。複数のベンダーを比較し、デモやトライアル利用、商談を通じて、操作性や対応力を確認しましょう。また、価格や機能ももちろんですが、サポート体制についてもベンダーには必ず確認しましょう。要件の生理には次の章「2.電子カルテの選定基準」の情報もご活用ください。

 

ステップ3. 導入計画の策定

導入スケジュールを具体的に設定します。特に、既存システムからのデータ移行やスタッフの操作トレーニングには十分な時間を確保します。また、停電や災害などのBPO対策についてもベンダー等に相談して計画を進めていきましょう。


ステップ4. システムの導入・設定

システムの設置や設定を行います。オンプレミス型の場合は、サーバー設置やネットワーク構築が必要です。クラウド型では、必要な機器の設定や初期データの登録を行います。

ご自身だけでの設定に不安がある場合ベンダーのサポートサービスの活用を検討するのも良いでしょう。

ステップ5. スタッフトレーニングと試験運用

クリニックのスタッフに対して、電子カルテの操作トレーニングを実施します。試験運用期間を設けて、操作や運用手順の確認を行いましょう。

 

ステップ6. 本格運用開始

本格的に運用を開始します。導入後は、定期的なメンテナンスやバージョンアップ対応、スタッフへのフォローアップを行い、運用の安定化を図ります。

選定についてさらに詳細を確認したい場合、無料DL資料「後悔しないための電子カルテの選び方ガイド」も確認してみてください。(リンク)さらに高い解像度で導入までの流れを理解できると思います。

 


 

電子カルテの選定基準

 

電子カルテの導入は医療機関にとっては少額の投資ではありません。導入失敗を防ぎ、最大限の成果を得るためには、リスクを理解して、慎重な検討と準備をすることが不可欠です。「有名なサービスだから」「開業コンサルに勧められたから」といった理由だけで導入を進めると、トラブルに見舞われる可能性もあります。以下の要素を基準に自院の行いたい運用を整理して、最も近い条件の電子カルテを探しましょう。

 

◆電子カルテの機能についての要件確認

カルテ入力機能
→トライアル、デモ、ベンダーへの問い合わせ等で確認
・自院に必要な入力項目がそろっているか
≪確認項目の一例 ≫
-患者情報の入力項目(氏名、住所、生年月日、保険情報など)
-診察録の種類(初診、再診、外来、入院、自費など)
-診察録の記載項目(主訴、現病歴、既往歴、検査結果、処方内容など)
-処方箋の発行形式(電子処方箋、紙処方箋など)

・入力がしやすいか、セット設定、カスタマイズ設定等ができるか
レセプト作成機能
→自身で考えをまとめておく
・レセコン一体型・分離型どちらを使いたいか
 →トライアル、デモ、ベンダーへの問い合わせ等で確認

・一体型を選ぶ場合は操作感と下記項目をチェック
  -レセプトチェック方式
  -請求できる診療項目
  -請求に必要な情報(患者情報、診療内容、点数など)
  -対応地域 (全国 or 一部地域など)
スケジュール管理機能
→自身で考えをまとめておく
・レセコン一体型・分離型どちらを使いたいか
 →トライアル、デモ、ベンダーへの問い合わせ等で確認

・一体型を選ぶ場合は操作感と下記項目をチェック
  -レセプトチェック方式
  -請求できる診療項目
  -請求に必要な情報(患者情報、診療内容、点数など)
  -対応地域 (全国 or 一部地域など)
スケジュール管理機能
→自身で考えをまとめておく
・診察予約の方式(オンライン予約、電話予約が良いなど)
 →トライアル、デモ、ベンダーへの問い合わせ等で確認

・診察予約システムの機能と使用感を確認。
 →オンライン予約が必要な場合、他製品との連携など実現方法を確認。

・スタッフの勤務管理機能(シフト作成、勤怠管理など)についても有無や実現方法や操作方法を確認。
会計機能
→自身で考えをまとめておく
・支払い方法(現金、クレジットカード、QRコード決済など)
 →トライアル、デモ、ベンダーへの問い合わせ等で確認

・クレジットカード、QRコード決済が必要な場合、他製品の連携など実現方法を確認。

・請求書の発行形式の確認

・レセプトとの連携方法の確認
検査機能
→自身で整理しておく
・必要な検査項目・セット(院内・外部検査)について整理しておく
 →トライアル、デモ、ベンダーへの問い合わせ等で確認

・対応している検査連携項目、外部検査会社の確認

・検査結果の閲覧方法の確認
患者情報管理機能
→トライアル、デモ、ベンダーへの問い合わせ等で確認
・患者情報の保存期間、保存可能件数(カルテの料金に関わるケースあり)

・他の医療機関と情報共有が可能か。可能な場合、共有方法の確認。

・データ管理セキュリティ対策について
必要な端末
→自身で整理しておく
・PC/モニター:受付、診察室、処置室でそれぞれ何台必要か(カルテの料金に関わるケースあり)
サポート内容
→トライアル、デモ、ベンダーへの問い合わせ等で確認
・トライアル、デモ、ベンダーへの問い合わせ等で確認

・導入時・日々のサポートの体制
(対面形式、オンラインのチャット形式、電話対応等)

 

◆「クラウド型」「 オンプレミス型」「ハイブリッド型」提供形態の違い

 

電子カルテはサービス提供体系によって3つに分類することができます。「クラウド型」は、データをインターネット上のサーバーに保存し、PCやタブレットからアクセスする形式です。初期コストが低く、メンテナンスや更新作業をプロバイダーが行うため、小規模クリニックに適しています。次に「オンプレミス型」は、院内サーバーでデータを管理する方式で、大規模クリニックやデータの高度な制御が求められる環境で採用されています。3つ目に「ハイブリッド型」は、オンプレミスとクラウドの利点を組み合わせた提供形式です。重要なデータを院内サーバーで管理しながら、一部の機能(予約管理やデータ共有)をクラウドで利用します。それぞれのさらに詳細な違いを以下の表にまとめましたので自院の運用環境に最も適したものはどのタイプか整理しておきましょう。

クラウド型オンプレミス型ハイブリッド型
カスタマイズ
・自由度低い
・高度なカスタマイズが可能
・高度なカスタマイズが可能
機器や
検査機関との
連携
・オンプレミスやハイブリッドに比べると少ない
・実績が多い
・実績が多い
費用
・安い
 -初期費用
 -月額利用料
・高い
 -初期費用
 -保守費
 -サーバー等の設備投資
・高い
 -初期費用
 -保守費
 -サーバー等の設備投資
 -クラウド利用料

管理
・ベンダーが管理
  -データ管理
  -システム運用
  -アップデート
  -バックアップ
・自身で管理
 -データ管理
 -システム運用
 -アップデート
 -バックアップ
・自身とベンダーがそれぞれ管理
 -データ管理
 -システム運用
 -アップデート
  -バックアップ
災害時の対応

・インターネット回線があれば 利用可能
自身で対応を行う必要あり
インターネット回線があれば復旧可能
セキュリティ対策
・ベンダーが管理する範囲が広い
 - パスワード、端末の管理等

・自身でもセキュリティ対策が必要

・インターネット回線トラブル時には使えない
・自身ですべて管理

・システム障害時は復旧に時間がかかる

・インターネット回線には左右されない
・オンプレミス型、クラウド型双方のセキュリティ対応が必要

・インターネット回線に左右されない

サポート
・あっさり
 - オンラインや電話での対応が主
・手厚い
 - 電話、オンラインだけでなく訪問でのサポートも実施してくれる。
・手厚い
 - 電話、オンラインだけでなく訪問でのサポートも実施してくれる。

 


 

クリニック向け電子カルテリスト

ここからは、クラウド型(汎用型)、クラウド型(特定診療科向け)、オンプレミス型(汎用型)、オンプレミス型(特定診療科向け)、ハイブリッド型の順に電子カルテサービスをご紹介いたします。情報収集にお役立てください。(各サービスの詳細情報やお問い合わせについては各ベンダーの公式サイトよりお願いいたします。)

 

◆クラウド電子カルテ(汎用型)

MAPs for CLINIC(EMシステムズ)

クラウドの弱点「インターネット停止」時も利用継続!従来のクラウド型では難しい柔軟なカスタマイズで操作を効率化し、4倍速の高速入力!安心と便利の両立で日々の診療を支えます。Web予約やWeb問診機能も標準装備になっていて運用フローのDX化にも対応が可能です。また運用に合わせてレセコン一体型、ORCA連携型から選んで導入できます。
公式サイト:https://service.emsystems.co.jp/maps_series/for_clinic/
弊社EMシステムズで無料デモや無料体験も承っています。お気軽にお問い合わせください。

 

 

M3 Digikar(エムスリーデジカル)
運用に合わせてORCA連携やレセコン一体型から選べるカルテ。会計業務やレセプト処理を効率化する設計。
公式サイト: https://digikar.m3.com/

 


CLIUS
(DONUTS)
訪問診療や在宅医療向け機能を標準装備。Web予約や訪問計画の作成機能を持ち、シンプルで直感的な操作性が評価されています。
公式サイト: https://clius.jp/


CLINICS
カルテ(メドレー)
同社のオンライン診療システム、Web問診システムと連携しに対応し、予約から診療まで一元管理が可能。患者とのコミュニケーションがスムーズに行える設計です。
公式サイト: https://clinics-cloud.com/karte


SimCLINIC T4 Cloud™
(島津製作所)
医療画像や検査データとの高度な連携機能を備えるクラウド型電子カルテ。診療支援に特化。
公式サイト: https://www.med.shimadzu.co.jp/clinic/prod/03.html


モバカルネット(モバカル)
軽量でシンプルな設計のクラウド型電子カルテ。低コストで導入可能で、小規模クリニックに最適。
公式サイト: https://movacal.net/


セコム・ユビキタス電子カルテ(セコム医療システム)
高いセキュリティ設計。セコムが提供する安心のクラウド型電子カルテ。
公式サイト: https://medical.secom.co.jp/it/karte/ubiquitous/

 

BrainBox Cloud(ユヤマ)
予約や会計機能を一元管理が可能。操作性が高く、使いやすいデザインが特徴。
公式サイト: https://www.yuyama.co.jp/product/products/karte_cloud.html


CLIPLA Basic
(CLIPLA)

直感的な操作性とコストパフォーマンスの高さが魅力。必要最低限の機能に絞られており、導入が容易です。
公式サイト: https://clipla.jp/basic/


Dynamics
(ダイナミクス)
シンプルで使いやすい設計が特徴。予約や診療記録の一元管理が可能。
公式サイト: https://dyna.superdyn.jp/


Easy Karte
(グローバルシステムズ)

簡単な操作で予約やカルテの管理ができ、導入後の教育負担も軽減されます。
公式サイト: https://www.globals.jp/medical_care/easykarte/


HOPE LifeMark-SX Cloud
(富士通)
総合的な診療データ管理を可能にするクラウド電子カルテ。高い安定性と拡張性を備え、複数診療科にも対応しています。
公式サイト: https://www.fujitsu.com/jp/solutions/industry/healthcare/products/sxcloud/


Qualis Cloud
(ビー・エム・エル)
臨床検査データとの連携が強み。効率的な診療フローを構築し、検査結果の迅速な確認が可能です。
公式サイト: https://www.bml.co.jp/service/qualis/


Hi-SEED Cloud
(ウィーメックス)
シンプルで直感的なデザイン。多診療科対応の柔軟性を持つ電子カルテ。
公式サイト: https://www.hs.wemex.com/medical/hi-seed-cloud/


medicalforce
(MedicalForce)
軽量でスピーディな操作性。モバイル対応が強みで、訪問診療にも適しています。
公式サイト: https://service.medical-force.com/

 

◆クラウド型電子カルテ(特定診療科向け)

キレイパスコネクト(キレイパス by GMO)
自由診療クリニック向けに特化。美容医療や美容サービスと連携し、診療から顧客管理までを一元化。
公式サイト: https://connect.kireipass.jp/

 

CLIPLA Eye(CLIPLA)
眼科向けに特化し、画像診断や専門診療を効率化。データ管理と診療補助機能が充実しています。
公式サイト: https://clipla.jp/eye/


homis
(メディカルインフォマティクス)
在宅診療に特化した設計。訪問計画や診療データの共有をスムーズにし、モバイル対応が優れています。
公式サイト:https://homis-mics.jp/

 

IMAGEnet eカルテV5(トプコン)
眼科領域の診療データ管理に特化。高度な画像管理機能を搭載し、専門医療に適した設計です。
公式サイト: https://topconhealthcare.jp/ja/products/imagenet-e-v5/

 

オンプレミス型電子カルテ(汎用型)

MRN(EMシステムズ)
安定性が高く、画面も見やすく操作が簡単です。EMシステムズの自社センターとのリアルタイム同期(クラウドバックアップ)で、システムを最新の状態に保ち、不足の事態にも対応が可能です。
公式サイト: https://service.emsystems.co.jp/mrn/

弊社EMシステムズで無料デモも承っています。お気軽にお問い合わせください。

 

Qualis(ビー・エム・エル)
臨床検査データとのスムーズな連携を実現。院内サーバーでセキュリティを強化しつつ、高い信頼性を提供します。
公式サイト: https://www.bml.co.jp/service/qualis/

 

Doctor’s Desktop Ⅳ(ドクターズデスクトップ)
診療科ごとのニーズに応じた細かな設定が可能で、柔軟なカスタマイズが魅力の電子カルテ。
公式サイト: https://www.doctorsdesktop3.net/

 

BrainBox V4(ユヤマ)
レセコンや予約システムを一体化し、中小規模クリニック向けの高い操作性を提供します。
公式サイト: https://www.yuyama.co.jp/product/products/brainboxV4.html

 

Hi-SEED W3EX(ウィーメックス)
オーダリング機能や診療記録管理が充実。幅広い診療科に対応し、効率的な運用をサポートします。
公式サイト: https://dx.hs.wemex.com/emr/hi-seed-w3-ex/

 

オンプレミス型電子カルテ(特定診療科向け)

MediusCL(ビーライン)
眼科での仕様に特化。精密医療向けに設計され、検査や診療データを効率的に管理。
公式サイト:https://beeline.co.jp/products/mediuscl

 

DMエキスパート(コスモ・テック)
「チーム医療」「長期医療」に重点特価。医療画像管理や診療支援機能を標準装備。
公式サイト:https://www.cosmo.co.jp/solution-2/healthcare/dm-expert/

 

ハイブリッド型電子カルテ

MedicoM-HRf(PHCホールディングス)
高度なセキュリティ設計と迅速な情報検索を両立。診療データを安全に管理しつつ、効率的な運用を実現します。
公式サイト: https://www.phchd.com/jp/medicom/clinics/mchrf-hybrid-cloud

 

SUPER CLINIC(ラボテック)
操作性を重視した設計で、簡単な運用が可能。データ管理の効率化を目指す中小規模施設向け。
公式サイト: https://labotech.jp/products/ver30/

 

RACCO電子カルテ(ロードシステム)
高いカスタマイズ性を持ち、複数診療科や複雑な診療フローに対応可能な柔軟な設計が特徴です。
公式サイト: https://www.road.co.jp/product/racco/

 


 

まとめ:自院の運用の方針を定めて、最善の電子カルテ選びを

自院のニーズに合致した電子カルテを選ぶことで、診療の効率化や患者満足度の向上を実現できます。適切な選択で日々の診療を支える最善のパートナーを見つけることができるでしょう。

まずは、1社でも電子カルテベンダーの話を聞いてみることで、ぼんやりしていた必要な電子カルテ像が明確になることも少なくありません。1社目の問い合わせ先として、2000件を超える医療機関へのシステム導入の経験のある株式会社EMシステムズにこちらよりお気軽にご相談ください。電子カルテのご提案だけでなく、要件の整理からお手伝いさせていただきます。専門家のサポートを受けながら、失敗のない電子カルテ選びを実現しましょう!

 

この記事を書いたライター

株式会社EMシステムズ

氏名 株式会社EMシステムズ

1980年創業の医療(クリニック・保険薬局)、介護/福祉業界向けのシステム開発・販売・保守を行う企業です。現在は北海道から沖縄まで、多くの全国の医療・介護施設様に当社の各種システムをご利用いただいております。

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